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Concept & Story
ロードバイクで遠くまで走るのは楽しいのですが、着替えたり、シューズを用意したりと、乗るまでの準備が少し面倒なのも事実。そうしているうちに、だんだん乗る機会が減ってしまうのは、よくあることだと思います。
一方で、ロードバイクには少ない力でもスピードが出せて、楽に遠くまで辿り着けるという大きな魅力があります。
「普段着でも違和感なく乗れるロードバイクがあればいいのに」。
そう思ったことがあるのは僕だけではないはずです。

そんな自分の理想を形にしたのが、VELO ORANGEのディスコンフレーム、Campeurで組んだこのバイクです。
その名前やトップチューブに入るイラストなどが示すように、本来はツーリング向けのフレームだと思います。
ただ、細かいことは気にしません!
ロードバイクのような軽快さを残しつつ、普段着で気軽に乗れる一台を目指して組んでみました。


Frame Detail
このフレームも例に漏れずヤフオクで入手しましたが、小傷が少しある程度で、ほとんど使用感の無いコンディションでした。
幸運なことにCAMPAGNOLO Recordのヘッドパーツも付属していました。
このフレームを選んだ最大の理由は、トップチューブが長めで、ドロップハンドル以外のハンドルも合わせやすそうだったこと。そして、比較的太めのタイヤが入ることです。
1インチのスレッドフォークや、カンチブレーキ用台座など、トラディショナルなツーリング用フレームといった趣ですが、パイプの接合部分がラグではなくTIG溶接だったり、センタースタンド台座があったりするのがVelo Orangeらしいユニークなポイントかと思います。

リアのエンド幅がこの手の自転車では珍しい135mmでした。使おうとしていた手持ちのホイールは130mm用なので、なんとかする必要があります。
センタースタンド台座もあるので、同じような特徴を持つRivendellを意識して設計されたフレームなのかもしれません。

Build Report
手持ちのロードバイク用パーツを生かしつつ、思い描いていた「普段着で乗れるロードバイク」というアイデアを形にしてみました。
130mmのホイールを135mmフレームに合わせる
エンド幅については、フレームビルダーさんに依頼して修正してもらおうかとも思いましたが、調べたところ、エンド幅130mmのロード用ハブのシャフトを長いものに交換し、スペーサーを入れれば対応できることが判明。無事に手持ちのホイールを装着することができました。
これは130mmのロードバイク用ハブを、135mmのフレームに合わせるちょっとした裏技といえます。
スキュワーにはアーレンキーで締めるボルトオンタイプを使用。確実に固定することができ、ミニマルな見た目も魅力です。こちらはリアエンド幅135mm用です。
→スキュワーのカスタムについての記事はこちら。
こだわりの結晶:変態的(?)なコクピット
ハンドルは、フレームと同じVELO ORANGEのPorteur Handlebarを使用。このハンドルには、22.2mmと23.8mm径のものがあり、後者を選んでいます。理由はDIA-COMPEのギドネットレバー、DC-139を使用したかったから。こうすることで、角部分からストレート部分まで、どこを握ってもブレーキレバーに手が届きます。
シフターはDURA-ACEのバーコン、SL-BS77をあえてダウンチューブとステムのコラム部分に装着。台座にはスターメーアーチャーのサムシフター用のものを流用しています。これはスポンジタイプのグリップを使いたかったのと、ハンドルを交換したくなった時に楽だから。
そこにバッグを加えて収納力を持たせています。
こうしてこだわりを詰め込んだコクピット周りが完成しました。
いろいろ盛り込んでいる割には、見た目も意外とまとまっていると思います。


クラシカルな見た目ですが、意外と握れる場所の多いハンドルです。
本来はドロップハンドルのフラット部分でブレーキを操るためのギドネットレバー。これをPorteur Handlebarと組み合わせることで、いろんな場所からブレーキをかけられます。
すっきりした見た目に仕上げたかったので、バーテープではなくスポンジグリップを使用。
素手で握っても気持ちの良い、柔らかな握り心地も気に入っています。
ミリタリーポーチを流用したハンドルバーバッグにはKNOGのライトをセット。工夫次第で色々な取り付け方ができます。

TIOGAのステムバッグも装着。停車してコーヒーを飲む時もテーブルがわりにカップを置けて便利です。

ブレーキアウターにはNISSENを使用。しなやかさと、金属のコイルがクリア層から透けて見える質感が魅力です。
→ハンドルのカスタムについての記事はこちら。
→グリップ交換についての記事はこちら。
→小物の収納に役立つバックの記事はこちら。
このクランクはあのクランク?
クランクはSTRONGLIGHTのものを入手しました。
ビンテージのツーリング車にもよく使われているフレンチメーカーなので、このフレームとの相性も抜群です。
でもどこかで見たことあるデザイン。OEM品かもしれません。ペダルは他のバイクで使用していたMKS Lambdaを拝借しました。

Lambdaは前後に長い形状で安心感があり、街乗りやのんびりライドにぴったりです。一度試す価値あり!
→ペダルの交換方法やおすすめペダルはこちらで解説しています。
「王道」な座り心地
普段着で乗るからには、レーパンやパッド入りパンツなしでも快適に乗れるサドルが欲しいところ。
そこで選んだのがBROOKSの定番、B17の穴あきタイプであるImperial。
まだ革は硬めですが、不思議と長時間乗っても局所的にお尻が痛くならないので、これからさらに馴染んでいくのが楽しみです。
年代物のSUGINO Mightyのシートポストを合わせてみました。


BROOKSの革サドルは少しお高いですが、体に馴染んでいく過程や、経年変化によって少しずつ表情が変わっていくところを長く楽しめます。
B17 Imperialは、型崩れ防止のために両サイドを繋ぐ紐が付属しています。
→サドルの交換方法やおすすめの定番サドルはこちらで紹介しています。
Impression
ツーリング用フレームなので、ロードバイクほどの加速の鋭さはありません。
それでも、一度スピードに乗ると、それを楽に維持できる点はロードバイクに近いものがあります。
それは古来からあるスポルティーフのような見た目の、このフレームの狙い通りなのかもしれません。
ステムのコラム部分に取り付けたシフトレバーはインデックスで9段変速する仕様にしています。ダウンチューブに比べてハンドルからの手の移動距離が少なく、ストレスなく変速できます。
スポンジグリップ、革サドル、フラットペダルの組み合わせによって、気が向いたときに普段の格好のままふらっと乗れるのも、このバイクのお気に入りポイントです。
昔ながらのカンチブレーキのため、今時のブレーキよりも丁寧な操作が必要ですが、そういった点も含めて、マニュアルフォーカスのフィルムカメラにも通じるような、濃密な「操っている感」を味わえるバイクに仕上がったと思います。



現行で買えるのがありがたい!DIA-COMPEのカンチブレーキ、DC-980。
気に入っている点
- 普段着で乗れるセッティング。
- トラディショナルで、風景に溶け込むスタイル。
- 変速しやすいコラムシフト。
Next Plan
ハンドル周りについては、やってみたいカスタムが二つあります。
一つはもう少し幅の広いハンドルに交換して、ダートを走りやすくするカスタム、もう一つはドロップハンドルに交換して、よりトラディショナルなツーリング車らしくするカスタムです。
前者の場合は、もう少し太いタイヤを入れても面白そうです。
後者の場合、ペダルはストラップ付きのものが似合いそうです。
こうした固定概念にとらわれない、幅広い組み方を受け付ける懐の深さはVELO ORANGEならではかもしれません。
Parts List
| Frame | VELO ORANGE Campeur |
| Headset | CAMPAGNOLO Record |
| Front Wheel | MAVIC Open Pro × SHIMANO Ultegra HB-6700 (32H) |
| Rear Wheel | MAVIC Open Pro × SHIMANO Ultegra FH-6700 (32H,Custom Axle) |
| Tires | FAIRWEATHER For Traveler Tire (700×32c) |
| Stem | NITTO NP (120mm) |
| Handlebar | VELO ORANGE Porteur Handlebar |
| Grip | BAZOOKA Free Grip |
| Saddle | BROOKS B17 Imperial |
| Seatpost | SUGINO Mighty (φ27.2mm) |
| Crankset | STRONGLIGHT Impact |
| BB | STRONGLIGHT JP400 (68 × 107mm) |
| Pedals | MKS Lambda |
| Front Derailleur | SHIMANO 105 FD-5700 |
| Rear Derailleur | SHIMANO 105 RD-5700 |
| Shifter | SHIMANO Dura-Ace SL-BS77 |
| Brake Levers | DIA-COMPE DC-139 |
| Brakes | DIA-COMPE DC-980 |
Closing
本来のツーリング車としての用途とは少し違った方向性ですが、「普段着で気軽に乗れるロードバイク」を自分なりに形にしてみました。
VELO ORANGE Campeurは、そんな願いに応えてくれる懐の深いフレームでした。これからもハンドルやタイヤ、パーツの組み合わせ次第でいろいろな楽しみ方ができそうです。
今回のように手持ちのロードバイク用パーツなども流用しながら、自分の使い方に合わせて組んでいくのも、バラ完の楽しみ方のひとつ。
もし自転車のハンドルやステム、サドルなどを交換してみたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。









